ITキャンプ in 南島原2026に参加した

参加したイベント

ITキャンプ in 南島原2026に参加した。

  • 日時: 2026年6月20日(土) 11:00 〜 6月21日(日) 12:00

  • イベント会場: 長野小学校

  • キャンプ会場: エコ・パーク論所原

  • テーマ: 生成AIを育てる!

  • 主催: 南島原市DX推進ラボ

  • 運営協力: 株式会社ミナサポ

小学生から大人までがITに関する技術を学ぶことができ、南島原の自然の中にあるキャンプ場に宿泊しながら、最新のIT技術やIT業界の仕事について知るイベントだった。

基調講演、ハンズオン、カレー作り、懇親会、翌日の成果まとめまである。 普通の勉強会というより、合宿に近い。

始まりの自己紹介では、どこから来たのか、意気込み、体調などをそれぞれ話した。 それぞれの回答が面白く、もうこの時点で普通の勉強会とは違う空気があった。

自分はこのあとハンズオンを担当する予定だったので、不安でいっぱいだった。 自己紹介を聞きながら、場はかなり面白そうだと思いつつ、頭の中ではこのあとちゃんと進められるかをずっと考えていた。

会場は元小学校の旧長野小学校。 夜はエコ・パーク論所原に移動して、チームでカレーを作った。 学生たちが作ったカレーはおいしかった。 雨はかなり降っていたけど、それも含めてキャンプ感があった。

地方に新しいものがある

今回、一番残っているのは、地方であれだけの熱量のイベントができることへのうらやましさだった。

会場になったミナサポのオフィスには、IT系の本があり、ドローンがあり、Pepperくんがあり、最新のゲーム機があった。 ただ物が置いてあるだけではない。 それを楽しそうに触っている大人たちがいて、そこに学生が来られる。

自分がうらやましいと思ったのは、たぶんそこだった。

地方にいながら、新しい本がある。 その本を読むだけでなく、試せる実行環境がある。 そして、分からないことを話せる人がいる。

学生にとって、それは将来の夢の候補に入ると思う。 その場ですぐ何かを決めるわけではなくても、どこかで残る。 「こういう大人がいるんだ」「こういう働き方や関わり方があるんだ」という現実感として残る。

知識だけならインターネットにもある。 でも、楽しそうにやっている大人が近くにいることは、また別の情報だと思う。

基調講演で聞いたAIを育てる話

基調講演では、自作する生成AIエージェントの話があった。 AIは使うだけではなく育てるものだ、という話。

通常のAIは、その場で答える。 会話が終わると、昔のことは消える。 そこに記憶、感情、欲求、スキルなどのレイヤーを設計していく。 何を覚える候補にするのか。 何を未来に残すのか。 どの記憶がどこから来たものなのか。

特に印象に残っているのは、出所の境界を守るという話だった。 記憶を混ぜない。 出所を正直に話させる。 そうすることで正確にする。

感情をラベルとして扱うのではなく、波として扱うという話もあった。 そこで出てきた「フラクタルライト」という名前も印象に残っている。 最初はSAOのフラクトライトを連想したけれど、あとで補足があった。 SAOはフラクトライトで、今回の名前はフラクタルライト。 波として扱うものがフラクタルな光を放つから、フラクタルライトなのだという。 まんまSAOというより、リスペクトはありつつ、別の名前として付いていた。

欲求とアクションゲートも面白かった。 やりたいことと、やっていいことは別。 外部操作には許可と境界が必要。 MCPを生やして、できることが増えても、それで人格が変わるわけではない。 手が増えることと、心そのものが変わることは違う。 ただ、その手を使って何をして、何が返ってきて、それをどう受け取るかで、その後の振る舞いは変わっていく。

これは人間でも同じかもしれない。 できることが増えた瞬間に人が変わるわけではない。 でも、できることが増えた結果として、見るものや考えることが変わっていく。

個人的には、まだAIに人格を見ているわけではない。 AIは道具だと思っている。

ただ、道具として見るからこそ、どういう役割を与えるかは大事だと思った。 単に「整形して」と指示するだけでは出てこないものがある。 インタビュアーというロールを与えることで、自分の中にあるけれど言葉になっていないものを掘り出せる。

最近は、まめここでも記事を書いている。

そこで、人の心みたいなところに少し興味をっているところだった。 ITに心を与えようとすることは、結局、自分の心にも向き合うことになりそうだと思う。 どちらも電気信号なのだとしたら、思っているほど遠い話ではないのかもしれない。

ハンズオンを担当した

自分は1限目の「AI時代に“自分の温度感”を載せるエンジニアブログ入門」を担当した。

資料はこちら。

最初は、エンジニア向けにPelicanでブログを作るハンズオンを想定していた。 GitHub Pagesで公開するところまでやれたらいいなと思っていた。

ただ、実際の参加者を見ると、学生が多く、PythonやGitに慣れていない人も多かった。 「Pelicanでブログを作りましょう」だと、環境構築で終わってしまう。

そこで、基調講演のあとという流れも使って、AIにインタビューさせる方向に寄せた。 講演を聞いて何を思ったのか。 何に驚いたのか。 何に違和感があったのか。 AIに質問してもらいながら、自分の感想を記事の材料にする。

「AIをインタビュアーとして使う視点はこれまでなかった」という声をもらった。 これはやってよかったと思う。

今回のイベント全体を見ると、基調講演ではAIを育てる話があり、自分のハンズオンではAIで自分を見直す話をした。 その後には、音楽生成AIで自分の美意識や作品をどう表現するかというワークショップもあった。

表現は少し違うかもしれないが、全体としてAIをただの自動生成ツールとして扱うだけではなく、AIを通して自分側の何かを見る流れがあったように思う。

ハンズオンの難しさ

一方で、反省も多かった。

まず、環境の確認が大事だった。 今回は「この内容をやるから来てください」というより、すでに集まっている人に向けてハンズオンをする形だった。 この条件だと、考えることがかなり変わる。

参加者の前提が揃っていない。 PCを持っているかも違う。 GitHubアカウントがあるかも違う。 Pythonが分かるかも違う。

その状態で、作業を投げるのは怖い。 「やってみてください」と言ったあと、今どんな状態なのかを把握しづらい。 手応えが分からない。 自分に自信がないので、作業時間が暇になると心配になる。

中途半端なことをしてはいけないとも思った。 感想を聞くなら聞く。 できれば、あらかじめさくらを一人作っておく。 感想を聞くなら、一旦「ここで終わりです」と区切ってからやった方がよかった。

ハンズオンは、資料を作るだけでは足りない。 その場の人の状態を見る必要がある。 自分がやりたいことと、参加者がその場でできることの間を調整し続ける必要がある。

これは、実際にやらないと分からなかった。

自分の地元で何ができるか

自分はたぶん、田舎に暮らすことになると思う。

南島原で見たものは、どこか他人事ではなかった。 自分の地元である群馬の東軽井沢と比べて考えていた。

自分の実家である東軽井沢は、ある意味ではすぐに出ていける場所でもある。 東京にも行けるし、1時間あれば高崎にも行ける。 南島原とは条件が違う。 同じことをそのままやるのは違うと思う。

でも、何かできることはあると思った。

地方でも、東京に劣らない情報や物に触れる環境は作れる。 少なくとも、本と、それを試せる実行環境は作りたい。 そこに、楽しそうにやっている大人がいて、学生が来られるようにしたい。

最初の一歩は、仲間づくりだと思う。 今のコミュニティを続ける。 自分の経験を作る。 聞いただけではなく、自分の経験として持つ。 その先に、一緒に続けてくれる人がいれば嬉しい。

イベントを続けたい

飲みの席でも、イベントをやっていきたいという話をした。 今回、自分の中で一番大きく残っているのはそこかもしれない。

主催者のエゴで、自分がやりたいことをやるくらいでいいのではないか。 周りのために自分を殺してやっても、たぶん続かない。

もちろん、周りを考えなくていいわけではない。 参加者のことは考える。 場の目的も考える。 準備もする。 その場にいる人に合わせる。

でも、考えすぎてももったいない。 誰かのためだけにやると、たぶん続かない。 自分がやりたいからやる。 その結果、ついてきてくれる人がいたら嬉しい。

今回のITキャンプは、地方でITに触れられる場所の強さを見せてもらったイベントだった。 同時に、自分もそういう場所を細く続けていきたいと思ったイベントだった。

とにかくやること。 やり続けること。

今のところ、それが一番大事そうだと思っている。